056.至上命令
「ん!あ…。あっ!」
薄暗い中、三成の濡れた声が殺風景な執務室に響き渡る。
「殿。今日はもうお休み下さい。
何日も働き通しでろくに休んでおられないのですから。」
そう言った家臣・島左近は言葉とは裏腹に三成の体を愛撫していた。
薄く滑らかな胸に唇を這わせる。
しかし、わざと胸の突起には触れないのが何とも憎らしい。
「…っ、休めと言いながらこんな事をして何を考えている!
これでは…、休めぬではないか。」
震える声で三成は意地悪な家臣を叱りつけた。
気持ちだけでも優位に立ちたいという思いから叱りつけたのだが
左近の手には三成の蜜が滴っている。
心も体もいい様にされて舌戦でさえも完全に負けは見えていた。
「だってここ数日左近は殿に休む様に言って部屋を下がりましたが
殿は全くお休みになられなかった。
ならば実力行使で殿に休んで頂くしかないという事ですよ。
なに、大丈夫。この左近が気を失うまで抱いて差し上げますー。」
「ーーーっ!」
大人の色気いっぱいの笑みを投げかけられ、
言葉を失い頬を赤らめる三成。
桜色をした胸の突起のその横を左近の舌が這う。
たっぷりと余裕を持って三成の気を高ぶらせる。
切なげに眉根を寄せ、欲しいところに愛撫を期待する瞳。
だが左近はそれを知っていて胸元から唇を離したー。
「あ…。左近?」
「欲しいなら欲しいとおっしゃって下さい殿。
さすれば何でも致しますよ。
さぁ、どうされますか?」
「ーっ、馬鹿!」
自分よりも自分のイイ所を知っている男に
自分でおねだりする行為に恥ずかしさが募る。
しかし左近は忠実に主の命令を待っていたので
仕方なしに三成は左近の顔へ手をやった。
そして長く艶やかな黒髪に指を通し、
胸の突起へと左近の唇をいざなったー。
「吸って左近。」