077.直視できない







宗茂は恋人の屋敷の庭先を足早に歩いていた。
毎夜忍び込んでは元就を抱く。
そんな生活を続けていたのだが今日は少し遅くなってしまった。



「元就公の事だ、もう寝ているかもしれないな。」


宗茂は本を読みながら寝てしまっている元就を愛撫して起こすのが好きだ。
でももうこんな時間なので起こしてやるのは我慢して
寝顔だけでも見たいと思って馬を走らせてきた。



そう思っていたのだが襖を開けた宗茂の目に飛び込んできたのは
直視出来ない恋人の恥態。

「元就…公?」


乱れた寝間着、そして畳には白濁した精が飛び散って
元就自身はというと陶酔した心地で首を傾げていた。

どう見ても自慰のあとである。


いつもはなんがかんだと言いつつ、まぐわいに付き合ってくれる元就が
自身で慰めるとは思ってなかった。
宗茂的には元就は性欲のない方だと思っていたのである。
連日抱き合っているのに今夜も自慰をするとは
これはある意味驚愕の事実。

声を掛けるか退室するか躊躇っているうちに
元就が気付いた。
「む、宗茂!?」

宗茂は波打つ胸を押さえながら冷静さを装って紳士に勤めた。



「どうもすみません。
なんだかお楽しみの所にお邪魔してしまって。」
そう言ってくるりと背を向け立ち去ろうとする。
毎夜の訪問目的は元就を抱く事だったのに何とも変な状況である。
そのまま据え膳を食べればよかったものを。



めまぐるしい思考回路の中でそんな事を考えつつも
閉じられた障子の向こうから
宗茂を呼び止める声が聞こえた。

「待ってくれ宗茂!
私を…抱きに来たのではないのか?」

それはそうなのだが
この確認作業はなんなのか。
宗茂は意味を図りかねないまま口を開いた。


「ええ、ですが貴方のそんな姿を見てしまって申し訳なく思っているのです。
すみません。今日は帰ります。」

あくまで空気を読んだ感じに。
気遣いを含んだ声音で紳士的に。
そう言って再び歩き出そうとした時、
勢い良く障子が開いて元就が出て来た。

「聞いてくれ宗茂!
私は…!」


「むぐ!む、宗茂!?」
勢い良く抱きしめられた元就は宗茂の腕の中
身動き取れずにいた。
そしてそのまま部屋へ引きずられ
障子をきっちりと閉められる。


「その様な姿で外に出ないで下さい。
家中の者に見られます。
…今の貴方は貴方が思っているより刺激的なんですから。」

そう言って宗茂は元就の内股を濡らす白濁液をすくい上げると
はだけた胸元から見える突起に塗ってやった。
元就はすぐさま甘い声をあげ、また精を垂らした。
自身の胸の中でうち震えている彼の姿が何とも愛おしい。


(あぁ、我慢して帰ろうと思ったというのに…。)




「宗茂…、今日分かった事なんだが
私は君以外では真の快感を得られなくなってしまった。
君の愛撫、その一つ一つが私の感覚を支配して…捕われているようだ。」



あぁ、私は何を…。などと呟いている元就。
体に刻み付けられた快楽を追い求めるうちに
当の本人がやって来たものだから思いあまってしまったようだ。



「今夜は帰れそうにないな。」
宗茂はそう言って部屋の明かりを消した―――。

























Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!