141.痩せ我慢
「い・や・だ。」
そう心底嫌そうに寝床から答えたのは三成である。
いつもならばもう朝の仕度も終え、仕事の一つも終わっている頃だが
今日は午後から仕事にかかるのだと言う。
一にも二にも仕事を優先する彼にしては珍しいことであった。
「殿。昨夜のが痛むんでしょう。
軟膏を塗った方がいいのでは?」
そう言ったのは彼の家臣・島左近、右手には件の軟膏が握られている。
どうやら左近は自分で三成の恥部に塗る気らしい。
それは昨夜の事を悔いているからでもあった。
「殿に懇願されたとはいえ
あれだけ中に出すのはよくありませんでしたな。
左近もまだ辛抱が足りんとみえます。」
「っー!言うな左近!」
昨夜の自分の恥態など聞きたくなくて
また語り出そうとする左近目がけて三成は枕を投げつけた。
しかし難なく左近に受け止められ
唯一の武器(?)は没収された。
「殿、いい加減にして下さい。
こうなれば左近も実力行使でいきますよ。」
そう言った左近は電光石火で三成の寝具をめくり、
三成の両足をまとめあげ、小脇に抱えた。
「い、嫌だ左近!!
……離せ!」
その言葉も虚しく、
左近はジタバタと抵抗する三成をものともせず、
着物と褌をめくった。
障子から漏れ届く朝日が露になった三成の下半身に注ぐ。
引き締まった臀部が何とも美しい。
「外傷は何にもありませんな。」
「当たり前だ!
お前が俺を傷つける様に抱く分けないだろう。」
左近に両足を取られていては逃げる事が出来ぬと観念した三成は
ぶっ切らぼうに答えた。
ーとなると問題はやはり内部である。
それも一つしかない。
「ではやっぱり軟膏を塗りましょう。
じっとしていて下さいよ。」
そう言った左近はおもむろに軟膏を指に塗り付け、三成の尻を割ろうとした。
「だからそれは嫌だ!!」
一時大人しくしていた三成だが己に降り掛かる危機を察して
また暴れ出した。
「殿!すぐ済みますからじっとして下さい。
それにそんなに締められては入りません。」
一向に指の侵入を許さない状態に左近も困り果てた。
では第二の実力行使である。
「ちょっ…、あっ!」
背後から卑猥な水音と共に舌が這ってゆく感触。
左近は動物がする様に痛みを伴う所を舐めて消毒しようとしていたのだ。
「左近!いい加減に……。んんっ。」
頭の中には沢山の罵倒の言葉が浮かぶのに口には出来ない。
口を開いたら開いただけ甘い吐息が漏れ出た。
「解れてきましたな。
これなら指も入りそうです。」
そう言った左近は治療行為と称した行為に蕩けている三成の菊門に指を入れた。
ゆっくりと奥まで侵入し、丁寧に内部を撫でる。
「ん…、はぁ。」
この時点で三成の体は自由にされていたのだが
彼は何の抵抗もみせず、
左近の指が与える快感に身も心も持っていかれていた。
「内部が熱いですよ。
やっぱり炎症してるんですね。
もう少し塗っておいた方が良さそうだ。」
そう言って左近は一端指を引き抜いた。
「くぅ…っ、ん…!」
誰が聞いても感じているとしか聞こえない甘い声。
そして三成は、また指に軟膏を取る左近を見つめた。
「さこん……。」
左近は主の熱い視線を感じて三成の催促を拒否する。
「殿…。駄目です。
今日はもういけません。」
昨夜もこの顔をされて
何度も中に放つ事になったのだ。
「ーーーーーっ。」
三成は上気した顔を俯かせた。
下肢からは半ば上を向いた亀頭が見える。
こうなることは分かっていたのだ。
だから頑なに拒んだのだ。
左近の指を受け入れて平然としていられる訳がなかった。
左近はそんな主の状態を見てそっと陰茎を握った。
「これで我慢して下さい?」
そう言って上下に刺激しつつ三成の射精を促した。
左近の事だ、あと二、三日はおあずけされるのだろう。
そんな事をぼんやりと考えながら
左近の手淫に寝具を汚した三成であったー。