160.マスターベーション
夏の暑い日、三成は汗ばむ体をさっぱりさせようと
湯殿で衣服を脱いでいた。
武人とは違う自らの貧相な体にため息が出る。
自分が選りすぐって集めた石田家家臣達の肉体とは全く雲泥の差である。
「奉行とはいえ、もう少し鍛錬した方がよいのかもしれぬな。」
一人ごちてまじまじと体を見る。
ふとそこで三成はある事に気付く。
体にぽつぽつと咲く紅い華ー。
「左近のやつめ、好き勝手に痕を付けているな…。
全く抑えのきかぬ奴だ。」
胸に、腹に、足に。
中でも足の付け根から性器の辺りが多かった。
そういえば昨夜は焦らしに焦らされて
本当に口にして欲しい所には触れてくれず、
その周りばかりに口づけされて随分と煽られた覚えがある。
そしてあられも無い言葉を散々口にさせられたのだ。
「左近め…。」
自分の恥態を思い出すと共に
三成の体は、昨夜の熱も思い出し始めていた。
ー高揚するー
気付けば三成は自身のものを上下にしごいていた。
「んん…。はぁ。ん…、くっ。」
左近に抱かれるまで自慰などする事が無かった三成だが
この所はその回数が増えている。
左近が偵察で屋敷を空ける時や
左近に抱かれるであろう昼日中でさえ事に及ぶ事がある。
待ちきれなくて、
今夜の刺激を想像して昂るのである。
「俺はこんな…(淫乱な奴だっただろうか。)」