14.突かれる
湯気が立ちこめる。そこにせわしく動く人影が二人。
ここは三成邸の脱衣所である。
片足を左近に棚の上に上げられ
後ろから突かれる体勢になった三成は逃れる事は出来ない。
ただ突かれるだけである。
「あん、左近!湯浴みの後だというのに…。それにさっきも…。」
眉根を寄せ、喘ぎとも取れる声で三成は抑えのきかない家臣をたしなめる。
そう三成達は先ほど二人でかいた汗を流そうと
湯を使っていたのだ。
それなのに左近は先ほどの情時では満足していなかったのか
また再び熱を持った自身の物を三成に突き立てる。
こうしょっちゅう二回戦を挑まれては体力の無い三成は弱り切ってしまう。
「さっきはさっき。左近は何度でも殿に欲情するんです。
昼間だろうと殿のお許しがあればいつでも抱いて差し上げますよ?」
こいつは昼間でもそんな事を考えていたのかと思うとゾッとした三成だが
それほど自分を抱きたいと思ってくれているというのは
何だか嬉しいものだった。
「馬鹿者。」
今はその言葉だけ言っておく事にする。