22.欲しがる
深い草木の匂いがする。
ここは三成の居城佐和山の木々の中である。
邸までもう少しというのに三成は左近を欲しがったのだ。
「殿、本当にこんな所でするんですか?
城の者に見られでもしたら…。」
普段三成は家中の者に知られない様に細心の注意を払っているだけに
城近くの野外でとはいささか不思議であった。
「かまわぬ。昼間なら城の方が誰かに見られるかもしれぬ。
それならばいっそ警備の手薄なここの方がいい。」
まぁ、分からぬでもない理由なのだが
いたずら心にこのような事を言ってみる。
「しかし警戒するに越した事はありませんな。
警備が手薄だからこそ忍びの者がいるとも限りませんし…。
と、あそこにいるのは徳川の忍びではありませんか。」
「何!?」
条件反射で起き上がろうとした三成を組み伏せ、
口を覆ってやる。
「な、何をする。離せ!」
小声だが屈強な家臣を叱りつける三成。
その慌てようを見て喜々とする左近。
「離せと言われましても、このような格好で何処に行こうというのです。
それにまだ殿の欲しがっていたものを差し上げてませんよ?」
そう言って左近は自身の物を三成の欲しがっていた所に挿入する。
「んんっ!」
三成は必死で声を殺すが左近が与える快感に声を我慢する事は出来なかった。
目は涙で潤み、両の手で必死に口を抑える。
「我慢なさらずとも忍びの者にも聞かせてやればよいのです。
殿の濡れたお声をー。」
「っ!馬鹿な事を…、あぁっ!」
見つかるかもしれないというスリルが余計に体を敏感にさせるのか、
三成はいつもよりも感じやすくなった自身の身体を持て余すのであった。