4.そんなの言えない
寸止めとはまさにこの事だと思い知る。
丹念に舐められ、指でほぐされ、得体の知れない媚薬を塗り込まれる。
受け入れる準備の整った箇所は熱を持ち、
曹丕を待ちわびる様にひくひくと動いていた。
挿れて欲しくてたまらないのにこの男は、言葉が欲しいと焦らし続ける。
「三成…。私が欲しいか?どのように欲しい?言うがいい。
私を満足させられる表現ならばお前の言う通りにしてやろう。」
「…っ。だからさっきから欲しいと言っている。」
「ふっ…。欲しいだけでは一体”何が”欲しいのか分からんなー。
主語や述語が欲しいところだ。」
堂々巡りであるー。
この状況で欲しいといえば一つしか無い。
挿れる場所も一つしか無い。
なのにこの男は言わせたいのだ。
三成の口から卑猥な言葉が出るのを喜々として楽しみにしている。
悪い趣味だ。
しかし曹丕が欲しいのはまぎれも無い事実で、
先ほどから三成の内股に当たる曹丕の”それ”が大きく誇張しているのも三成は知っている。
こんな状態でお前も挿れないとは相当のサドでマゾだな。
お互い意地っ張りだが曹丕のそれは三成の遥かに上をいく、
この辺りで折れなければ焦れた曹丕に何をされるか分かったものではなかった。
「挿れてくれー。お前のこれで突いてくれ。
奥まで欲しい…。」
そう言って三成は曹丕の熱を持った”それ”を自ら欲しい場所にあてがった。
この状況ではこれが精一杯である。
とはいえ、挿入されて快楽にどっぷりと浸かっている時は
きっとあられもない言葉を言っているのだろうが…。
「ふ。つくづく私も甘いな…。」
そう言って曹丕は恋人の恥ずかし気な表情に満足したのか
腰を動かしたー。