8.所有物の証し
胸を食み、甘噛みする。
三成の薄く色づいた白磁の肌に赤い花びらの様に模様が刻まれる。
「…っ、曹丕。そんなにしては痕になる。」
「ふっ…、三成。
これは所有印だ。お前が私の物だと忘れぬよう刻んでおくのだ。」
「こうしておけばお前は人前で服を脱がぬし、
お前が独り服を脱いだ時には私を思い出すだろう。」
「…ふん。お前を思い出して自慰でもしろと?」
そう言った三成はわざと曹丕から視線を外し、頬を紅く染める。
その三成の仕草が思いのほか可愛らしく、
魏の後継者として忙しい自分がかまってやれない夜の、三成を見ているようだった。
「ではお前がもっと私を思い出せる様に
私がしてやろう…。」
そう言って曹丕は
触れて欲しそうに揺れていた三成自身を手に取り、
普段は流麗な詩を書出す指でしごき出したー。
「んっ…。あぁっ。」
欲しかった刺激に三成の口からは甘い喘ぎ声が聞こえる。
「…三成。快楽をありのままに受け入れるのも良いが、
今は私の指の動きを覚える様に言ったはずだ。
そんな事ではいつまでたっても一人で満足する事は出来んぞ?
いや。そもそも覚える気がないのか?」
指の動きに翻弄されている恋人を眼下に見つつ
それでもいいかと思う曹丕であった。